イシダイは岩礁域に広く住んでいる魚で、磯釣りをする人たちの間では「石もの」として、イシガキダイなどとともに人気があります。特にオスの場合、黒紫いろの横縞(私たちから見て縦に見える縞)が、念を取るとはっきりしなくなり口先だけ黒くなります。
漁獲量が少ないことから、スーパーなどでは見かけることの少ない魚ですが、非常に美味しい魚です。養殖分野では、成長が遅いため混養という他の魚と一緒に養殖する方法で試みられていますが、まだあまり出回っていません。
食べ方ですが、やはり刺身が一番です。歯ごたえを楽しみたい方は新鮮なうちに、旨味を感じたい方は数日寝かせて食べると良いでしょう。ムニエル、バターソテー、カルパッチョなどの洋食にも向いています。地方によってはすき焼きとして食べるところもあるとか。なかなか手に入らない白身の高級魚をお楽しみください。
環東シナ海環境資源研究センター機構長
教授 征矢野 清